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2009年7月24日 (金)

滋賀の仏教関係展覧会

昨日の毎日新聞にちらっと出てて知ったのですが、滋賀のMIHOミュージアムにて仏教関係の興味深い展覧会が開催のようです。

http://www.miho.or.jp/


MIHOミュージアムて!と正直思いましたし、ノーチェックでした。

MIHOミュージアムって、要するに神慈秀明会の運営する美術館です。教主が小山美秀子(みほこ)なのでMIHOミュージアム。

手かざし系の宗教って、神慈秀明会の元になった世界救世教のMOA美術館といい、美術文化活動に妙に理解があるところが多いんですね。

展示品なども、美術的にわりと「分かってる」感じのが多く、あなどれないと思う。ほんとに美術好きなんやなあというのはなんとなく分かります。


美術館に関しては宗教色は廃除してるようで、MOA美術館も他宗教の美術なども普通にやります。今MOAのほうはアフリカの美術で、国立民族学博物館も協力してるようです。

MIHOミュージアムも今回仏教関連ですし、講演会などのスケジュールを見ると、座禅会なんてあるし、小林澤應氏(法相宗大本山 薬師寺 録事・伽藍副主事)の法話会なんて載ってる!(8月1日です、気になるかたはどぞ!)

いや、いいことですね。宗教の思想モロ出しの美術館は学術的に美術をやる場合困りますし、この態度は俯瞰できてよいと思います。


さて、関係無い話だらだらしましたが、MIHOミュージアムで今回開催される特別展は『仏たちの物語』。

仏教説話という切り口から、古今東西の貴重な品を集めたもののようです。


なんかせっかくの気合入った展覧会なのに公式サイトがヘナヘナで分かりにくいので、

7月23日の毎日新聞の紹介記事を引用。


>飛鳥時代の「誕生仏」に始まり、パキスタンの「仏伝図レリーフ」(2~4世紀)、アフガニスタンの「燃灯仏授記図浮彫」(3~5世紀)、奈良時代の「絵因果経」、中国北部の「仏三尊像」(6世紀)など、幅広い展示物で釈尊の生涯を回顧する。

(中略)

>館所蔵の他、薬師寺や延暦寺などそうそうたる寺院が寺宝を出展し、重要文化財だけで10点に及ぶ。

>目玉の一つは同県野洲市の法蔵寺で89年に見つかった「如意輪観音像」(鎌倉時代、重文)。

(中略)

>8月16日まで。同4日から一部展示替えをする。

>タジキスタン国立考古博物館の協力を受け、古代中央アジアの遺物を集めた「オクサスのほとりより」も同時開催されている。


重文10個ってたいがいですよ。かなり気合い入った展覧会です。

もちろんそれだけではないですから、見ごたえありそう。


写経文化の展示も力入ってて、ミスター写経で知られる藤原定信の書も見れます。

(生涯にめちゃめちゃな量の経典を書いた人。速書きを思わせる特徴的すぎる書体がシャープな鋭さを感じさせ、カッコイイ)



同時にやってる「オクサスのほとりより」もサイト見ると興味深いです。

「ソグドの神はインドの神の姿をかりた」のコピーとともにある四臂神霊図(6~8世紀、タジキスタン・ペンジケント出土)ってなによ!

四臂のインド風の謎の神像なんですが、見たこと無い系統で凄く異様。これはソグド人の神像というのか!

日本で仏教文化の影響で神道の神像が作られたという流れが一部にありますが、それと同じような出自のものなのでしょうか。

正直仏教美術マニアとしては、これ見るだけでも行く価値あるのではなかろうか。

敦煌あたりの文化はよく知られていますが、これタジキスタンですからね。


多臂の神々についてはMIHOミュージアムの会誌に説明があった。

http://www.miho.or.jp/japanese/member/shangrila/vol23/jshan23_3.htm

>6:ペンジケント出土 6-8世紀 タジキスタン国立考古博物館

>7:棺床屏風(ナナ女神祭礼図)大理石に着彩 中国 北周6世紀後半

>中央アジアのソグド人はインド起源の神々の姿を借りて、彼らの神々の姿を表現しました。多臂の神々は本来戦闘神であり、守護神でした。

>6はソグディアナの英雄神、7は葬儀に関係の深い地母神ナナであると考えられています。

>特に7は中国に交易を通じ定住したソグド人の葬具を飾ったものと考えられています。


こんなの現物見る機会ってめったにないのでは…



しかし、MIHOミュージアム、場所が微妙すぎる…

石山寺とか参拝ついでに巡ってみるのがよいのでしょうか。




さて、ついでに滋賀の他の博物館について触れてみよう。

栗東市には栗東歴史民俗博物館がある。競馬の馬飼ってる印象しかないかもしれませんが、栗東はいろいろ民俗文化の宝庫で知られ、民俗マニアには知られた地ですから、こういう博物館があるのも納得です。

(…といいつつ昔栗東の女子と付き合っててしょっちゅう栗東に通ってたのに存在を近年まで知らなかった俺です…)


特集展示:阿弥陀・地蔵・十王

会期:平成21年(2009)5月2日(土)~7月20日(月・祝)

http://www2.city.ritto.shiga.jp/hakubutsukan/sub243.htm


うわー!行きそびれた!

そういや昔サイトでチェックしたんだけど、まだ会期長いし~と放置してたのでした。

展示の目録を見れば分かりますが、地元栗東の寺に所蔵されてるような十王図がわさわさ来てた。閻魔王眷属像てなんだ?

神社に所蔵されてる本地仏の阿弥陀如来とか地蔵菩薩像ってのも、廃仏毀釈を乗り切ったものということで非常にこれ興味深い展示だったのでは?


上記企画展示とは別に特別公開をやってるシリーズで、今は、

木造天部形立像(東近江市指定文化財) 春日神社蔵

会期:7月1日(水)~7月31日(金)

…というのを公開してるそうです。

神社所蔵の天部形立像?????なんだそれ。

神社所蔵ということは神像なのか?それを天部っぽい造形で作ったものってこと?

僧とか、貴人の姿で神像というのはよくあるけど、天部形!?


なにがなんだかわかりませんが、もしやこれ神仏習合マニア垂涎なのでは?

やはり栗東侮れない!!



あとは、大津市歴史博物館がしばしばおもしろい展覧会やってます。

今は特別展はやってない谷間で、ミニ企画展はまもなくこういうのがある。


http://www.rekihaku.otsu.shiga.jp/

>第77回ミニ企画展

>大津の仏教文化10 西教寺の地獄十王二使者図

>平成21年 7月28日(火)~8月23日(日)

>比叡山では平安時代の恵心僧源信以来、極楽往生思想とともに六道輪廻の思想の中心地として

>多くの地獄絵図や十王図が描かれました。今回は地獄を司る十王と二使者を表す作例としては

>古例に属する西教寺本を12幅すべて展示します。


ここは、神仏習合とか湖北仏教などの研究では凄い。講演会見ても熊野の神像とかガチなネタ満載です。

天台の山王信仰の神仏習合美術の研究とかほんとすごい。

山王権現曼荼羅を論理的に解き明かす論考とか以前読みましたが、勉強になりすぎる。




…というわけで、滋賀は信仰文化学ぶには熱すぎる土地がらだな、と改めて思いました。

今回上げた中では、栗東の阿弥陀・十王信仰の展示行きそびれたのが非常に痛い。これマイナーな展覧会ながら、ひそかに凄い熱いネタですよ。木造天部形立像だけでも見に行こかな…

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