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2009年7月21日 (火)

道教の美術展など

この夏はいろいろ興味深い展示会が各地で開かれていますが、その中でも最も宗教美術マニヤ垂涎かもしれないのが

三井記念美術館で2009年7月11日(土)~9月6日(日)の期間開かれる道教美術展でしょう。


三井記念美術館 特別展 知られざるタオの世界

「道教の美術 TAOISM ART」−道教の神々と星の信仰−

http://www.mitsui-museum.jp/exhibition_01.html


>中国と日本の文化に深く根ざす道教の美術を紹介する日本で初めての展覧会です。

>老子を祖と崇める道教は、日本にも古くから伝わり、様々な影響を与えています。

>本展では特に道教とかかわりのある修験道や、安倍晴明でおなじみの陰陽道、星曼荼羅など星の信仰にも焦点をあてます。

>日本各地に埋もれ散在する国宝4点、重要文化財20点を含む約170点が結集、夏の一日エキゾチックな空間をお楽しみいただきます。


ん?道教の展覧会初めてってウソやろ?と思ったりするのですが、大規模なのは初めてなのかなあ?(たぶんあると思うけど)

初めてかどうかはさておき、しかし日本では珍しい題材の展覧会であることは間違い無いです。


かつては日本に道教はほとんど伝わってないだのいう人も居ましたが、今ではいろいろな道教モチーフが伝わり影響を与えていることは常識かと思います。陰陽道関係などで泰山府君だなんだとおおいに関わってることは知られていますが、神道の神社にも道教由来の文化が律令制とともに習合していますし、仏教でも鎌倉時代あたりの寺なんかには道教神像とかよう混じってますし、道教を知ることは日本の信仰文化を知るうえで欠かせないと思います。


しかし東京まで行けないなあ。

展示品見ると、天王寺にある大阪市立美術館蔵ってのがやたら多い。ご近所なんで何度も行ってるからたぶん見てるな。(三井寺展とか、フェルメール展とかなんだかんだよくやるので行くのです)

他にも万博公園の国立歴史民俗博物館蔵、めちゃご近所の(っていうか半ば氏子の)阿倍王子神社蔵とかもあって、大阪産が多く、地元で見れるやんって気もしないでもない。

とはいえそれ以外のものも多く、これだけ揃ってなかなか見れるものではない。


つーわけで目録とか発行せえへんのかな?

…とミュージアムショップのページを見ると、読売新聞大阪本社・大阪市立美術館発行『道教の美術 TAOISM ART』という今回の目録が出てる。

ちょい待ち!これが大阪市立美術博物館With読売新聞発行ってことは、この展覧会って三井記念美術館が主ではないのか。どうりで大阪市立美術館蔵が多いはずだ。


大阪市立美術館のサイトを見れば、三井のあと大阪でもこの展覧会やるようです。

http://www.city.osaka.lg.jp/museum/page/0000038116.html

平成21年(2009)9月15日(火)~10月25日(日)


東京に行く必要はないようです。

大阪展のほうがはじまったら行こうと思います。



そういや、中国文化といえば、今ちょうど、仏教美術では最強の博物館と思う、奈良国立博物館にて寧波(ニンポー)展やってます。

「聖地寧波—日本仏教1300年の源流~すべてはここからやって来た~」

平成21年7月18日(土)~平成21年8月30日(日)

http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2009toku/ningbo/ningbo_index.html

泉湧寺の有名な楊貴妃観音も来るよ!


キャッチーな感じの先行ポスターがいけてる

http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2009toku/ningbo/ningbo_flier_01.pdf

仏教モードの最先端て!

でも当時のモードの最先端がニンポーにあったんでしょう。

ニンポー展は主に仏教ですが、しかし十王図の類がたくさん集まってるようで、やはり道教的なものが垣間見れると思います。



あと、今やってる興味深いものとして、京都国立博物館の

『特別展覧会/ シルクロード 文字を辿って−ロシア探検隊収集の文物−』

2009年7月14日(火)~9月6日(日)

があります。

http://www.kyohaku.go.jp/jp/index_top.html


敦煌を中心とした西域出土の遺物の展覧会なんですが、注目すべきは、近代中央アジアを広く支配した旧ソ連→ロシアの資料が大量に来日しているレアすぎる機会ということ。

サンクトペテルブルクのロシア科学アカデミー所蔵のものがいっぱいきてて、激レアです。

西域の仏教美術は、インド→ガンダーラ仏教美術と中国仏教美術のあいだのミッシングリンクを埋める存在で、宗教美術に興味あるひとなら注目のことかと思います。文献類が多いですが、絵もそれなりにあるようです。変な密教らしき護符とか写真見ましたが、曼荼羅との関係からおもしろいと思います。

論語やら孫子やらもあるみたいです。西域の冥報記というのも貴重すぎる。


あとは、それほど大きな展覧会ではないですが、

大谷大学の博物館で、以下の展覧会開催中。

2009年度夏季企画展『儒・仏・道・神−東アジアの宗教と文化−』

http://www.otani.ac.jp/kyo_kikan/museum/kaki_2009.html


儒教、仏教、道教、神道を扱うのですが、説明読むかぎりだと、日本の神仏習合文化の品半分、残り半分を中国の儒教・道教品という展示会のようです。

三井記念美術館の道教展は、道神集合とか道仏集合みたいな雰囲気のもの集めた感じなのと比べると、ワンダーかげんは弱いと思いますが、普通に日吉山王信仰とか春日鹿曼荼羅とか神仏習合の美術品が集まってるようなので、これはこれで。

山王宝搭曼荼羅なんてほとんど紹介されてないと思うし、激レアでしょ。



…というわけで、話それましたが、この夏は、わりとレアな信仰文化の展覧会が目白押しみたいです。

特に中国方面の文化を知れるものが多いようで、かなり貴重な機会のような気がします。

この手のって日本ではアンコールワット展みたいな日本の信仰文化とはほぼ断絶した異文化が多く、今回のは実におもしろいと思います。


なおアンコールワット系は、三重にあるパラミタミュージアム(イオングループの岡田文化財団が運営する美術館)にて

8月21日より、アンコールワット展があるそうです。アッチから本格的にいろいろ持ってくるようです。

http://www.paramitamuseum.com/plan/plan_yokoku.html

>シハヌーク・イオン博物館プノンペン国立博物館所蔵のアンコール王朝最盛期の美術工芸品を中心に67件を公開いたします。

>出品作品の中には、2001年に上智大学アンコール遺跡国際調査団がバンテアイ・クデイ遺跡で発見した世界初出品作品11件のほか、

>三島由紀夫が戯曲の題材にしたといわれる「閻魔大王の像」など、日本初公開品も多数含まれています。


これはこれで気になりますね…(節操無し)

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