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2009年11月19日 (木)

大阪市立美術館 道教の美術 TAOISM ART

美術や信仰史に対する見聞を高めたいと、情報のインプットは大好きで積極的に日々やってんですが、それを文章にまとめたり、そういうのは遅れがちなものです。

毎度毎度書くのが遅いんですが、前言ってた道教美術展行ってきましたよ!


道教の美術 TAOISM ART

http://taoism-art.main.jp/


結論から言うと、行ってよかった!

かなり貴重な初めて見るようなもの満載で、高いけど図録も買っちゃったよ。

「なにこれ!」みたいのがいっぱい。

道教美術だけでなく、道教に関連した、日本の陰陽道関係の遺物、密教の星辰信仰関係モノ(ってこれ半分陰陽道だけど)、十王信仰関係のモノなども続々大集結。鎌倉禅寺院に伝わる道教神像なんかもありました。

本でしか見たことなかったもんが眼前にあり、とてもよかったです。本つっても道教遺品とかマニアックすぎてかなり特殊な研究やってる本でしか紹介されず、普段公開もされてないようなのばかりなので、これらを現物見れる機会というのは非常にレアなのです。


道教の三尊形式の仏像っぽい像とか、羽人像という後漢時代の怪しい像とか、このへんはそもそも大阪市立博物館蔵なので既に過去毎度見てるので新鮮味無かったけど、これたぶん実は凄いもんなので、東京展のひととか見といたらよかったかもしれない。

歳徳神図もうじゃうじゃ、九曜図(九曜を擬人化した神様の並んだ図)もうじゃうじゃ、摩多羅神像もうじゃうじゃ。もちろん神農だの関帝だの、道教神図や像もうじゃうじゃ。

青面金剛の像や図もめっちゃ並んでましたね。こんな青面金剛ばかり集まってるの初めて見た。鎮宅霊符神像もいくつも集まってて、マニアックすぎるやろ!


自分の興味分野とガチっとハマってたようで、なんか本含め知ってるものがいっぱいでした。飛鳥時代出土の桑津遺跡の呪符木簡、山王垂迹曼荼羅図、三井寺の新羅明神図、、各地の安倍晴明図やさらには金烏玉兎集。

安倍晴明図は、うちのご近所でガキの頃から初詣でにいったりしてた阿倍王子神社蔵とのことで、こんなん伝わってたのか!と驚きました。室町時代の作で、図録でも1Pまるまるでドデカく載ってるところを見ると、かなり貴重なものなのでしょうか。

あと鎌倉の禅寺の道教神像が来てて、「あ、これ前読んだ日本の美術の禅宗彫刻の号に載ってた奴ちゃうん!」と感動しました。

さらに伝大黒天立像は、「これは走り大黒やな」とか、ついその前にINAXミュージアムの大黒展見てきたとこだったんでウンチクかまして、いっしょに行ったひとにマニアックすぎて引かれました。

わりとこういうの見て、なにがなにかすぐ分かるくらいには知識が付いてきたことで、日々この手の本読んで行ってるのは無駄ではなかったと思いました。


けど、まったく知らなかったようなものもいろいろ見れました。

「焔口餓鬼図」(面然大士)なんてそうで、なにこのグロいの!なんでも解説によれば面然大士とは中国の民間信仰に由来する神で、六道の衆生を救済する観音菩薩の仮の姿ともされるそうです。それがこんなグロい鬼なのか!地獄でのお姿ってこと?

唐時代の不空訳『仏教救抜焔口餓鬼陀羅尼経』にあるものらしいです。

3つの画が来てましたが、2つは中国のもの、うち1つは江戸時代の日本製です。

水陸会、水陸会とは、広く道仏の神仏を招きその力であらゆる不遇な霊を救済するという儀礼ですが、それに用いられたようです。

江戸時代の作例は、隠元の黄檗宗の渡来で、黄檗寺院で水陸会が行われた際に用いられたものであろうとのこと。

道仏、要するに宗教の枠を越えた全ての善神に祈る慰霊の超宗教的祭祀だったのでしょう。

その他、「水陸画」といって、水陸会に用いられる、古今東西の道教も仏教も民間信仰もなく神々がわらわら大集合してる図があるんですが、それもいくつか作例が来てました。

水陸ってのは、水の中も陸の上も、この世全てをあまねく慰霊って意味なんすかね?


あとこれは…と思ったのが、六道図の一部としてあるんですが、地獄来迎図(私の勝手な命名)。

来迎図ってあるじゃないですか?阿弥陀如来が菩薩をずらずら引き連れて、光る雲に乗って死者を浄土へお迎えに来るという図。来迎図は過去いっぱい見たことあるんですが、

閻魔天をはじめとする地獄の十王は雲に乗って死者を迎えに来迎してんですよ!しかも雲間から下の地獄が垣間見えるんですが、針のむしろに悶え苦しむ亡者とかチラ見せで、すんげえ嫌な来迎図でした!笑

一般の阿弥陀来迎図のパロディ的な意図がこれあるんじゃないでしょうか?これは必見ではないかと感動したんですが…


キワモノ大好きな宗教美術好きは必見の展覧会だったと思います。

大阪と東京でしかしないのもったいないんじゃないかな。


大阪市立美術館 道教の美術展

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