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2010年12月 5日 (日)

和歌山県立博物館 企画展「盗難文化財」

和歌山県立博物館で、現在盗難文化財をテーマにした企画展が開催されています。

ちょっと無い企画であり、常々文化財盗難の危険を憂いているので、行ってまいりました。


もっと盗難文化財の事件ばかりかと思いましたが、半分は「文化財」というものの基礎知識の解説です。これは私は別にいまさらと思いましたが、半分の実際に盗難や破壊された文化財の関連物や資料の展示は非常に重いものがありました。


日本では、山奥にひっそりたたずむ無人のお堂なんてのは数多くあります。無人の寺で、地域のご老人らで管理されてるようなとこも多数。鍵もないとこや、鍵つってもボロい板の扉を南京錠で止めてるだけとか、そんなのが普通にあります。

かといってそこにある文化財がたいしたことないかといえば全く違って、とんでもなく価値のあるもんが無用心にあるわけです。

特に熊野古道やら修験道の地である和歌山は、その手のものが非常に多い地域です。他地域と比べても被害が多発してる地域であります。

そんなわけで、緊急アピールとして今回の企画展が催されました。

これまで維持できてたものが、維持できなくなるってのには、なんというか日本社会のモラルハザードを感じます。


出品物には、とてもよくできた文化財もたくさんあります。それが盗まれて、現場に残されてた千手観音の折れた腕しかないとか、重文の十二神将が、他所に偶然貸し出されててからくも助かった数体だけになってるとか、生々しい実態が見れます。

往時のモノクロの解像度も低い写真しか残ってないなんてのも。

それどころか、秘仏的に御本尊の写真なんてとんでもない!と写真すら残っておらず、復元すら不可能なものも。


この盗難横行に対応するため、仏像の写真を残すという取り組みも広がってるそうです。もはや秘仏だからとか、写真なんて!とか言ってられないと思います。住職の居る寺でもバンバン盗まれてるのが実情です。

保険のためにも写真はきちんとプロも入れていろんな角度から、また細部も、きちんと残しておくことが必要なんじゃないでしょうか。

盗られないようにするってことはもちろん必要ですが、どうやっても盗られることはありうるわけで、いざというときに信仰の場を守れる体制を作っておくことは軽んじてはいけないと思います。

また、仕方なく盗難避けのために博物館などに寄託して逃がすなんてこともあるようです。


自治体のこの手の文化財保護に対する支援はまだまだ不十分です。

前もちょっと話題にしましたが、文化事業の予算は、例えば平城京遷都1300年イベントで大極殿や朱雀門の再現!なんてのには予算がっつり付きますが、

県内のお寺やなんやの文化財を守るためのセキュリティ設備の拡充なんてビジネスにならんようなもんにはなかなか回らないわけです。

既にあるものを守るという足元を固めずに、新しく何かを作るなんてやっても意味無いと思うんですけどね。

地味な世界で、企画屋とか建設屋とかにゼニ回らないような利権なんてほとんど無い世界ですが、コンサルさんに乗せられてカネ引っ張られてくばかりでなく、そういう地道な文化財保護にもっと予算割いて欲しいと思います。

和歌山県は危機意識があるのかなと今回ので思いましたが、関西ですと、奈良とか滋賀とかもほんと危ない。

地方のお堂の仏像やら見て回りますが、こんなん盗りほうだいやん…とハラハラすることばかりです。

ウン百万円で取引されるだろうなーみたいな円空仏とかがほんと簡素に無人のお堂にあったりします。仏像ブームとかいってますが、ほんと早急になんとかしないといけないです。


企画展「文化財」の基礎知識—緊急アピール・文化財の盗難多発中!—

http://www.hakubutu.wakayama-c.ed.jp/kiso/frameset.htm

平成22年(2010)11月13日(土)~平成23年(2011)1月10日(月・祝) 

和歌山県では近年、寺院や神社を中心に文化財の盗難が頻発しています。

今年に入ってからはさらに増加する傾向にあり、文化財をいかにして盗難から守ればよいのかという、難しい問題に直面しています。

この企画展では難しい印象をもたれがちな「文化財」について、有形文化財を中心に、実際の資料を用いてご紹介します。

そして、文化財が守り継がれてきた場所から暴力的に持ち去られている実情を、盗難の現場に残された資料や写真パネルでご覧いただきます。

身近に残る多くの文化財を未来へと引き継いでいくために今なにをすべきか、緊急のアピールを行いたいと思います。

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