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2013年1月23日 (水)

朝鮮シャーマニズムを題材にした映画「パクスごろつき」が公開

韓国といえば李朝以来、儒教の国というのがまずあるわけです。
李朝の儒教立国政策の結果、仏教も弾圧され続けましたが、朝鮮の長らくある土着シャーマニズムの伝統も同じく儒教的には弾圧の対象であり、虐げられてきた存在です。
とはいえ、朝鮮仏教がそうであったように、巫覡もまた遠ざけられてつつも、ひっそりと続いてきたという事実もあります。
日本にも在日朝鮮人の1世世代のよりどころとして伝わって、生駒や宝塚などに山岳宗教(密教や修験道)と習合しつつ朝鮮寺ができてきた歴史があります。

日本からの独立後も、しばらくはシャーマニズムなんて古臭いものとして敬遠される傾向にあったと聞きます。
要は近代啓蒙主義的にはこのようなマジナイ信仰は下等なものとして排除されがちで、現代の若い世代では忘れられつつあるとも聞いたものです。

古い朝鮮仏教についてレポートした書籍では、韓国の寺は仏教とはいうけれど、この巫覡が不可分に食い込んで密接にあるという実態を書いてあるが、その後の記述を時系列で調べていくと、韓国最大宗派の曹渓宗とか仏教復興運動を戦後やってきており、こういった非仏教要素を排除して純化路線の改革を進めていったはなしなんかが見れる。
このように、寺から巫覡要素は排除されていって、仏教寺院は仏教寺院で純化が計られ、巫覡は厳しい時代があったようです。

日本でも、在日1世世代のよりどころという文脈で語られ、2世からは胡散臭いものとか、母親がどうしようもないものにハマってるといったような感覚すら持たれることがあるようで、
2世世代で熱心に通うという事例は少なく、あくまで1世のおばあちゃんのコミュニティとして継続してきたとううのが中心であったようです。
韓国でも、同様に若者のシャーマニズム離れが進み、忘れられつつあったものと聞きます。
実際、韓国は戦後、一気にプロテスタント布教が進みましたし、古い様式の巫覡の立場が悪かったろうことは想像がつきます。(とはいえ、韓国のプロテスタントはペンテコ系が多く、実はここに伝統のシャーマニズムが習合してるのでは?という指摘は結構あったりする)

…という状況だったはずなのですが…
ところが、近年、朝鮮ナショナリズムの高まりで、「仏教もキリスト教も外来じゃないか!朝鮮の土着の宗教は巫覡である!」なんて言う人がいるとかで、見直す動きもあるのだとか。

そんなはなしも聞いてたところで今回の話題。

ハングルわかんないんで、日本での報道のみでの情報では、「新年を迎えて初めて公開されるコメディ映画」とか言ってるから正月映画ってことなんかなー?
パク・シニャンという俳優さん主演の映画が韓国で公開されるそうで、なんと朝鮮シャーマニズムを題材にした作品とのこと。
あらすじは、ヤクザのパク・シニャンが抗争で手のひらを切りつけられ、手相が変わったことで、巫女の道に!というもの。
昼は巫女、夜はヤクザという生活をおもしろく描いたコメディです。
http://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=1960985&categoryCode=MV

ビックリです。
今回の映画の題材になるなんて動き、そういう昨今の巫覡リバイバルの流れに位置づけられるものなのかな?と思ったりしておもしろく見てます。

日本での紹介報道見たのですが、現代の韓国社会における巫覡の位置づけが垣間見れて興味深いです。
記者会見見ていろいろ気になった点が。

女装をわざわざしてるけど、朝鮮には男の巫覡も伝統としてあったわけですが、昨今はほぼ女性なもんなんすかね?
そういうシャーマン=女という前提条件の物語設定なので、現代韓国における雰囲気がそこに出てるのかなと。(あと戦前などの研究者の本を読むと、そもそもかつてから男女比は地域性もあるようです)

主演のパク・シニャン氏コメント
「儀式のシーンが怖かったですね。
子供の頃も怖かったんですが、今も怖いです。
巫女役をあまりに一生懸命演じると、“本当に神がかるよ”と冗談半分に言われました。」

ベテラン俳優ですから、彼の世代だと、子供の頃、親が通ってるというような場面に出くわすということが普通にあったのでしょうか。
一時は若い世代では忘れられつつある文化と聞いてたわけで、このあたりの世代ギャップとか、いろんな動き、気になるところです。

イケメン若手俳優でもないし、日本で公開されるとかDVD出るとか、期待薄な気もしますが、気になる映画ですね。


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