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2014年8月10日 (日)

安達原玄氏仏画をめぐる著作権侵害訴訟

最近知ったんですが、女流仏画家・安達原玄氏の描いた仏画について、著作権侵害であるとの訴訟が起されていたそうです。

【事件名】仏画の著作物性及び模写事件
【年月日】平成24年12月26日
 東京地裁 平成21年(ワ)第26053号 著作権侵害差止等請求事件
 (口頭弁論終結日 平成24年10月15日)

以下の書籍が原告により訴えられている。

書籍名
「あなた自身のみ仏に出会うための図説 写仏のすすめ」
「あなた自身のみ仏に出会うための図説写仏教室」
「新・写仏のすすめ」
「シルクロード仏画ぬり絵」
「新装普及版 写仏下絵図像集 第1巻 観世音菩薩」
「写仏下絵図像集 第2巻 阿弥陀如来と十三仏」(旧版・新装普及版)

この訴訟が複雑なのは、東大寺やなんやの古典の絵の模写を巡る訴訟であることです。
つまり、原告側は古典仏画の模写を公表してきておられ、安達氏の古典仏画の模写は、この原告側の模写の著作権を侵害している!という主張なのです。

問題は、原告模写に著作権はあるのか?
元の東大寺の絵やらいろいろは、当然著作権なんかありません。
それの模写に著作権はあるのだろうか?

また被告の古典模写絵は、原告の絵からの模写なのか?東大寺等の古典絵の模写なのか?
そのあたりが争われました。

原告の模写は、トレースではなく、じっくり見て、再現していくという手法で、通常のトレースでは得られない再現性をも持ち、創作性があるとのことです。
一方で、被告絵は独自性もあり、本物を模写したのだとの主張もされ、どこまでが模写と言えるのか?

結論としては、一部著作権侵害を認め、一部認めないという結論に至ったようです。
仏画模写の際に、参考として他者の模写を模倣したってとこなんでしょうねえ。
仏画、それも古典も古典の絵なんかパブリックなものなわけで、なかなか著作権侵害は成り立たないもののはずですが、原告側の模写によっぽど特色があったのでしょうか。

心情的には、仏画であんまりあーだこーだ銭や権利の主張しあいして欲しく無いよね。
ビジネスとしては当然の権利で、理解するんですけれども。
宗教としての仏画描きからすれば、模写も複製もどんどんしてや!仏をいっぱい世に広めよう!…ってくらいの心意気が欲しいのが実感。
そういう意味でなんだかもやもやする裁判でした。
ビジネス仏画だなあ~と。禅の白隠さんなんて、求められるままにじゃんじゃん描いてばらまいてましたが、仏画って元来そういうもんじゃね?
まあそれで食ってるビジネスとしては当然の権利の行使なんでしょうけれども。


仏画の著作物性及び模写事件 判決全文
http://www.translan.com/jucc/precedent-2012-12-26e.html
安達原玄仏画美術館
http://mandala-museum.jp/
曼荼羅祈り写仏の会
http://shabutsu.jp/

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